
2007年2月18日、東京で開催された「第一回 エコノミクス甲子園 決勝大会」にて、見事優勝した鹿児島ラ・サール高校(亀岡孝展さん、平郷翔太郎さん、木原健太郎さん)の3人は、3月27日から6日間のニューヨーク研修旅行に招待されました。単に観光としてアメリカに行っただけでは絶対に見られないものを見て、世界経済の中心地ならではの空気に触れる他では体験できない内容で、3人はそれぞれに得るものがあったようです。
今回、自分達はエコノミクス甲子園の優勝者としてニューヨークの研修の機会を与えてもらった訳だが、この貴重な機会を使い様々な施設や企業の見学をさせてもらい、自分達がアメリカの金融経済を少なからず理解できた。ここに自分達の見学してきた所の事を書こうと思う。
まず、2日目に見学したブルームバーグ通信社について。日本でも同時通訳でTVに番組が入っており、金融経済(特に株価)の報道でかなり重要な位置をしめいている事が分かった。実際、本社へ行ってみるとフロアの電光掲示板には世界の平均株価がリアルタイムで流れる表示となっており、中でも一番驚いたのがその情報端末だった。
二つのモニターと一台のキーボードを使って、世界の市場の銘柄の株価だけでなく、分刻みでの全世界のニュースや不動産情報、企業の上層の人事構成やその人の仕事の経歴、他に勤めている企業、住所まで分かり、さらには全世界の飛行機の発着時刻まで分かるというマルチノードで、オフィスで皆でこれを利用していた。ここまで多機能な端末は珍しく、見学のおみやげには日めくりメモパッドで「一日一機能」で説明がなされていた。
世界で必ずどこか一ヶ所は取引所の開いている現代は、世界のいろんな出来事が株にすぐ反映されるから、しっかりと世界で起こっている事を見つめていかないと立ち遅れてしまう事が理解できた。また、会議室にはモニターがあって、そこには世界各国にある支部の会議室が映し出されていて、テレビ会議をする事ができるようになっており、やはりいろんな国との連携が大事になってくるというのが良く分かった。
また、大企業といえば証券会社のメリルリンチにも見学に行ったが、かなり大きなオフィスで人々が皆、コンピューターを利用しており、ブルームバーグと似てモニターが1つのパソコンに複数ついていて、やはり多くの情報を一度に扱う必要性を感じた。
二日目にはNorman Thomas High School で仮想の会社である Not Just Flowers,Inc. という所のオフィスを経営している生徒達と会ったが、商業高校ではないのに Virtual Enterprise に参加して、一日に約2時間作業をしている事を聞いて、起業への関心の高さをうかがわせた。また高校に一緒に来ていた、フィンランドやスウェーデン、イタリアなどから来たチームはVirtual Enterpriseに参加しており、後日、実際に世界各国とNY市内の多くの学校が出店して自分達は"バーチャルな"お金を使って買い物をした。その大会は文化祭を大きくしたような感じだったが、特に会計の面では明細書を作るなど気合いが入っていた。
関連して、三日目にはVirtual Enterpriseがメリルリンチ社の協力により"National Business Plan Competition"が催されて、それを見に行ったが、どのチームも高校生とは思えない位立派で、彼らのビジネスプランはしっかりしているように見え、人事まで詳しく説明されている事に驚いたが、審査員がコンサルタントであったり、メリルリンチやシティ、HSBCの人などから構成されていて、鋭い質問がなされていて、レベルが高かった。Virtual Enterpriseのようなプログラムは日本で実行されてもいいと考えた。ちなみにこのコンペの優勝者には3,000ドルの会社資金と個人に1,500ドルが与えられる。
残念ながら、NYSEにはテロの影響で見学できなかったが、ニューヨーク商品取引所は開場時に見学させてもらえた。現在でも声を張り上げ、売買条件をカードに記入して投げ入れる、というスタンスが維持されているのを目の当たりにして、タブレット端末を使って取引する人達もいたけど、やっぱりそうするのが好きな人達がいる事が分かった。値の入力はコンピューターを介するが、そこまでは全てが手動であり、2時半の閉場まで熱気に満ち溢れていた。経済の原動力がこういった所にあるのを知ることができた。
また、日経のオフィスも見せてもらったが、日本経済では大手の日経も、アメリカではやはり中くらいの企業のようだ。そこで頑張っている記者達(多くは日本人だった)のおかげで報道が成り立っている事がよく理解できた。
この旅行で世界経済とそこに働く人々の姿を垣間見ることができた。また自分達の生活にどれだけ大きな影響を与えているのかも感じ取れた。これを活かして自分が将来、金融経済と関わりをより強くもつようになった時(具体的には成人してから)、役立てればいいと思っている。
今回僕は、ニューヨークに来てとてもたくさんの事を学びました。その中でも強く印象に残っているのは、バーチャルエンタープライズです。バーチャルエンタープライズというのは僕たちと同じ高校生がビジネスプランを立てるというものです。まず、初日は実際にどのような事をしているのかを見せてもらいました。行った高校はお花の詰め合わせのギフトを売る(売るといっても実際に物を売るわけではなくバーチャルの話です)というビジネスを2日後の出店のために準備していました。どれをどのくらい売るかを決めるセクション、カタログを作るセクション、編集するセクション、これをすることによってどのくらいの収入を見込めるかを計算するセクションなどに別れて作業をしていました。
ここで僕が驚いたのは、高校の中で実際に社会で行われているような会社経営のようなものが行われており、しかもそれが普通にある学校の授業であるというところです。やはり経済に対する意識が日本とは大きく違うなあということを感じました。高校生でそのようなノウハウを学ぶことは、英数国理社をすることよりもずっと役に立つ事だと思うし、日本の企業とアメリカの企業の大きな力の差は、このような所から根をはっているのではないかなと思いました。
2日目にはバーチャルエンタープライズの企画のプレゼンのコンテストを見に行きました。とても企画がしっかりしていて、現実にプラン通りのビジネスをしても成功するようなものもいくつかありました。僕は企画そのものももちろんすごいなあと思いましたが、他の事にとても感心しました。それは発表のうまさです。きっと日本の大人でもあんなにうまくはできないと思います。一流企業の社長クラスの審査員相手にビジネスに関する質疑応答をしている所には脱帽してしまいました。
3日目はバーチャルエンタープライズが実際に出店して、形だけで売買のできるというトレード・フェアに行きました。ゲームを客よせに使うところ、抽選会を使うところと戦略は様々でとても面白かったです。
この旅行を通して僕はアメリカと日本の歴然とした差を感じました。どちらも先進国であるのに、こんなにも差があるのかと思います。そしてその差は少なくとも、僕らの年の高校生から生まれています。日本を世界のトップレベルへもっていくには、やはり子どもの頃からの金融知力が必要なんだということをN.Yに来て痛感しました。あと、日本のお菓子のおいしさも・・・。
本当にこの旅行は長くはありませんでしたが、貴重でした。世界のトップレベルにふれて人生観がガラリと変わりました。本当にクイズを頑張って良かったです。
今回の旅行の中で、普段出会うことのない人達と会うことができました。
日本で今までの生活をしているのとは全く違う観点で皆さんが暮らしているのを共通点として感じました。日本とは規模の違う世界の中で生きているんだなあと思いました。
それぞれにやっていることは違っているけれど、厳しい社会の中で成功を修めているだけあって、自信や貫禄といったものがありました。それだけでなく、全ての方が自分達の訪問に際して、親切に対応して下さって、優しさも持ち合わせているのも上手くやっていくのには重要だと思えました。心に余裕がある、それだけの余裕を持てる表れな気もします。
また、皆さんが、大学で勉強していたり、ファンドとして働いていたりなど様々なことをやっていましたが、現状を受け止め、各の今後の目標、あるいはやりたい事を捉えているのもよく覚えています。
出会った沢山の人達は、優しいだけでなく、自分の体験を交え、多くのアドバイスを与えてくれました。これこそ、日本で高校生活を送っていても知りえないことであったし、学校では当然の様に伝えられない内容でした。実際の場で多くのことを体験しているから分かることが多々あり、現実味を持って考えさせられることも多かったです。株式や為替などでの関心を持つこと、アメリカへ来てこちらで勉強する方がずっとよいということや、日本の金融経済は発達しているわけではなく、日本でのネームバリューは国際社会で意味を持たないという厳しい内容まで、話を伺った皆さんが共通認識として持っていたことも印象的でした。それだけに、株式を今から始める国際経済について自分で考察してみる、留学をする、といったことがいかに重要なのか、しっかりと考えさせられました。
学校では教えてくれないような内容を知ることができた、と書きましたが、それが日本の金融経済の発達しない要因として結びついているのは確かだと思います。こちらへ来て、沢山の高校生が経済を学び、実際に企業運営を行ったりしながら、経験を積んでいることはすごいと単純に感じたし、それを見たのを踏まえて、皆さんのお話の内容を考えると、その話の意味がもっと深く理解できた気がします。自分も、今ではそれなりの理解を身につけているかもしれませんが、エコノミクス甲子園まではちゃんと経済を学習しようと思うこともありませんでした。同じ年齢とは思えない感じでアメリカの人達が活動に取り組んでいるのを見ると、将来的にそんな人達と共に経済の場で渡りあっていけるのか不安に感じます。その点でも日本とアメリカとでは全く土壌が違うんだということを再確認しました。
成功していけば、どんどんと伸びていくことができるかどうか、金融界の地盤の大きさがどれだけ違うのか、そしてそもそも学生時代からの教育環境と、全く違うことばかりです。ヘッジファンドという利益を得続けねばならない状況で活動を続けている杉本さんの話の中で、「アメリカではこれだけ環境が違う。日本の中だけで経済を見ていても不十分だし、その状態は大きなハンデだ。こういったアメリカの環境下で戦わないといけない。だからアメリカに来て学んでいかなければならない」と伝えられたのは本当に今の状況を表しているのだと思います。
日銀や経済産業省からの留学生も来ていることは、その年齢になってからでもアメリカで学ぶことが多くあるといういい例なのだとも思えました。
お金に対する価値観も全然違っていて、アメリカでは儲けることが普通の欲望だとされている、という話は皆さんから聞きました。さらに、なるほどと感じたのが、日経の松浦さんの話で、「アメリカは儲けようとするのは当然だし、日本とは桁が違いすぎる。でも、日本のトップは自分のことしか考えない。アメリカのトップの人達は、儲けを必ず社会に還元しようとする」という観念の違いを教えてもらいました。日本でのライブドア、村上ファンドといった会社の隆盛と、アメリカの有名企業との差はここにある気がしています。アメリカで出会った人達に共通していた「余裕」が会社全体に広がって、成長を続けているのかもしれません。
今旅行で、世界経済の中心で活躍する日本人の皆さんとお会いしました。この経験は、自分の考えや物の見方を大きく変えてくれました。
これからも経済を学ぼうとする自分にとって貴重な助言や激励も受けました。もしかしたら将来あの人達と同じ舞台に立てるかもしれません。そうやって経済を学び、第一線で生きているように努力したいと思っています。
1月のエコノミクス甲子園九州大会からの3ヵ月にわたり、一般に体験できないことを色々とさせて頂きました。
ニューヨークでも、観光以上の滅多にない研修を行うことができました。
来年のエコノミクス甲子園に参加できるかどうかは分かりませんが、将来の自分にとっても実りある経験であったと思います。これから数年後に社会に出る時にも大きな影響を与えてくれるでしょう。それだけに、大学以降も頑張っていこうと思いました。
今回、こんな素晴らしい機会に巡りあわせてくれたり、鈴木さんをはじめ、スタッフの皆さん、NYで出会った皆さん、沢山お世話になりました。本当にありがとうございました。